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DVD マーラー:交響曲第7番 アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団

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    マーラー:交響曲第7番ホ短調《夜の歌》
    マーラー:交響曲第7番ホ短調《夜の歌》

    来日直前のアバド&ルツェルン祝祭管弦楽団の新しいDVDを観た。
    曲はマーラーの交響曲第7番。昨年夏のルツェルンでのライブ収録だ。
    以前にも投稿したが、このオーケストラはアバドのイニシアティブで
    組織されたオーケストラだ。特徴は、各セクションにそれぞれの分野で
    活躍するスペシャリストが多く参加していること。弦楽器には
    元ベルリンフィルのコンサート・マスターのブラッハー、
    ハーゲン四重奏団、アルバン・ベルク四重奏団のメンバー、
    チェロのナタリー・グートマン、オーボエのアルブレヒツ・マイヤー、
    クラリネットのザビーネ・マイヤー、マーラー室内管弦楽団ect.
    いずれもアバドを慕う音楽家たちだ。

    もしかするとアバドのマーラーには、マーラーらしくないという人も
    いるかもしれない。しかしそもそも「・・・らしい」というのも時代により
    地域により変化するものだから、絶対的なものではないと思う。
    彼の演奏は、マーラーのスコアを徹底的に研究し、各声部のテクスチュアを
    明瞭に描き出す。

    実はこのDVDは買う予定はなかった。たまたま別のCDを買いに立ち寄った
    CD店で、プロモーション映像が流れているのを見て思わず買っしまった。
    なによりもアバドの指揮姿に活力が戻ってきたのがハッキリとわかる。
    全体をとおして、みずみずしい音楽作りと推進力に引き込まれ、
    深夜にもかかわらず、一気に観てしまった。

    来日公演の日は用事があって行かれないので買ったのだが、
    DVDを観てかえって行けないことの残念さも増してしまった(苦笑)。
    la fontaine * CD/DVDレビュー * 10:35 * comments(0) * -

    DVDレビュー:毎日モーツァルト

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      NHK「毎日モーツァルト」特別編集版DVD
      NHK「毎日モーツァルト」特別編集版DVD

      残念なことにわが家ではBSが見られない。NHKBSで「毎日モーツァルト」
      という番組を放送している。とても興味深いらしい。

      その特別編集版のDVDが発売されたので、必要に迫られて買った。
      「必要に〜」というのは今年の「モーツァルト」講座で使うつもりだからだ。
      モーツァルト縁の土地が映像と音楽と共に楽しめる。生地ザルツブルク、
      ウィーン、ロンドン、イタリア、マンハイム、パリ。
      彼の軌跡を辿るテロップも見る事ができる。
      映像と音楽が直接関連付けられておらず、有名な作品に限られているのが
      私としては残念だ。番組では内容にあった曲が紹介されているらしい。
      それにしても演奏家のチョイスにはイマイチ納得が行かない。
      カラヤン、ムーティ、アカデミー室内合奏団。もう少し「今風」の演奏は
      選べなかったのかな〜? 映像はさすがにNHK。とても美しい。

      la fontaine * CD/DVDレビュー * 23:57 * comments(0) * trackbacks(0)

      CDレビュー アッバード指揮 モーツァルト「魔笛」

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        アッバードの「魔笛」がついにリリースされた。
        http://www.deutschegrammophon.com/special/?ID=abbado-zauberfloete
        まず、序曲からそのフレッシュな演奏に快く驚かされる。
        弦楽器はヴィブラートを抑え、フレーズも真ん中が膨らむような
        古典奏法を用いながら、アッバードは引き締まったテンポで劇を
        進めていく。しかもそこには無理を強いたようなところは感じられない。

        夜の女王を除くと、主要なキャストはドイツ語圏出身の若手と
        レッシュマン(パミーナ)、パーぺ(ザラストロ)らの中堅で占められ
        ている。とかく歌手のネームバリュー(レコード会社の思惑?)で
        決まる配役とは異なるところも、近年珍しいのではないだろうか。
        それにモーツァルトのオペラを初演した歌手は20代〜30代の若い歌手たち
        だったから、アッバードのこうした配役はある意味で本質を知っての
        ことと言えるだろう。
        オーケストラはマーラー室内Orch.で、非常に音楽的で旨い。
        ちなみにモーツァルトのオペラのオーケストレーションは難しく、
        イタリアでは19世紀中頃まで、演奏不可能と思われていたくらいだ。

        聴いた後に清涼感の残る「魔笛」、素敵だと思う。
        国内盤は5月24日発売予定。

        la fontaine * CD/DVDレビュー * 23:57 * comments(0) * trackbacks(0)

        カール・シューリヒト

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          カール・シューリヒト ポートレイト
          DVD

          往年の名指揮者の録音を聴くことはそれほど難しいことではなくなっている。
          SPもLPもかなりのものがCDで復刻されている。 
          カール・シューリヒト(1880〜1967)の演奏もブルックナーを
          はじめ、70枚以上のCDが発売されている。だが、映像となると・・・・・。
          それが今回発売され、「即買い」で入手した。


          カール・シューリヒト ポートレイト
          DVD ヘンスラー・クラシックス KDC-9002

          モーツァルトの「ハフナー」交響曲のフィナーレと、ストラヴィンスキーの
          バレエ組曲「火の鳥」(1911年版)の映像は、彼の特質をじつに鮮明に
          写した貴重なドキュメントだ(演奏:シュトゥットガルト放送交響楽団)。
          演奏のほか、ドキュメンタリー「カール・シューリヒト 生涯の肖像」も
          とても興味深い(いずれもモノクロ、モノラル録音)。
          当時の関係者がシューリヒトの魅力を語っているが、DVDには日本語の解説も
          同封されているので、ドキュメンタリーの内容もわかる。

          シューリヒトは、演奏することに徹したその端正な音楽造りに以前から
          興味をもっていた。 いったいどんな指揮なのか??

          ひとことでいえば、フルトヴェングラーの指揮が草書なら、
          シューリヒトのそれは楷書。無駄を一切はぶいた的確な指揮である。
          しかし、それが無味乾燥にならず、音楽を完璧に掌握した
          「司令官」のような威厳を保ち、かつ見ていて美しさがある。
          シューリヒトの作品研究は徹底しており、スコアにはほとんど
          1小節ごとに書き込みしていたという(観て見たい!)。
          またパート譜にもみずから書き込みをしていたそうだ。

          時代や方法論は違うかもしれないが、アーノンクールもやはり作品を
          研究し、スコアにはいろいろな書き込みがあり、自分のパート譜を
          持っていく(パート譜にはいろいろな書き込みがしてある)。

          ヨーロッパの音楽は、本来こうして手間をかけ、じっくり練り上げていく
          ものなのだとあらためて思う。それがだんだんと希薄になっていることに、
          危機感を感じずにはいられない。
          温故知新。シューリヒトから学ぶことがまだまだありそうだ。


          la fontaine * CD/DVDレビュー * 23:39 * comments(2) * trackbacks(0)

          モーツァルト:交響曲「プラハ」・「ジュピター」 室内楽版

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            Hummel: Mozart Symphonies
            Hummel: Mozart Symphonies
            Wolfgang Amadeus Mozart, Robert Hill
            モーツァルト:交響曲38番「プラハ」&41番「ジュピター」
            フンメルによる室内楽版

            ロバート・ヒル(Pf)
            アンサンブル・ロットチェント 

            たまたま立ち寄ったブックオフで見つけ、興味津々で買った。
            CDを聴きながら「これは、面白い〜!!」思わず
            にやけてしまった。「今年最後の見っけ物!!」

            モーツァルトの交響曲を室内楽で・・?
            いぶかしがる方もいるだろう。
            だが、編曲者フンメルは少年時代の2年間を
            モーツァルトの家に住み込みでレッスンを
            受けていた愛弟子の一人なのだ。

            モーツァルトは、この愛弟子とピアノ連弾で交響曲を
            弾いていたということだ。おまけにフンメルが
            モーツァルト家に住みこみで暮らしていた時が
            「プラハ」から「ジュピター」の作曲時期にあたる。
            そう。彼は後期の交響曲の作曲の現場に居合わせたのだ。

            成長したフンメルは、ピアニスト、作曲家、指揮者として
            ヨーロッパで活躍した。
            とくにワイマールの宮廷楽長として当地の音楽文化に大きく
            貢献した。その編曲は文豪ゲーテに献呈されている。
            当時ゲーテ家は、音楽サロンとしても質の高い室内楽の
            演奏を提供していた。

            さて編曲は、モーツァルトのオリジナル、と言っても
            信じる人がいるくらい、モーツァルトらしさを備えている。
            編成は、ピアノ、フルート、ヴァイオリン、チェロの四重奏。
            ピアノ・トリオ+フルートと考えればよいだろうか。
            もっとも主役はあくまでピアノ。CDの解説を読むと、独奏ピアノが
            全体を受け持ち、それに他の楽器が加わる形になっている。
            チェロはオーケストラのチェロ・パートとほぼ同じ、
            フルートは、オーケストラのフルート・パートのほかに、
            オーボエ、ファゴット、第1ヴァイオリンのパートを、
            ヴァイオリンは、しばしば第2ヴァイオリンとヴィオラのパートを
            受け持っているとのことだ。
            楽譜がないので確認はできなかったが、実によくできた編曲だと思う。

            演奏はオリジナル楽器を使い、a'=430Hzで演奏されている。
            古楽によるモーツァルトの交響曲の演奏に馴染んだ耳には
            すんなりと入ってくる。
            室内楽を聴いているのに交響曲を聴いている感じ。
            放送や録音のない時代、人々は家庭音楽(ハウスムジーク)で
            このように楽しんでいたのだろう。
            la fontaine * CD/DVDレビュー * 00:26 * comments(4) * -

            ハイドン:パリ交響曲集 アーノンクール指揮コンツェントゥス・ムジクス

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              ハイドン:パリ交響曲集
              ハイドン:パリ交響曲集
              アーノンクール(ニコラウス), ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス, ハイドン

              ハイドンは存命中スーパースターだった。 
              作品が発表されるたびに大きな話題になったし、
              ハイドンと名が付けば曲集は売れた(それゆえに贋作も多い)。

              そのハイドンがパリでの演奏会のために作曲した6曲の交響曲は
              彼の創意工夫で満ち溢れている。だが残念ながらこれまで
              そうしたことを彷彿とさせれような演奏になかなか出会うことが
              なかった。
              アーノンクールが満を期して録音したこのパリ交響曲を聴くと、
              「えっ、ハイドンってこんなに面白いの?」と思う。
              そうなのだ、ハイドンは実はとても面白い作曲家なのだ。
              突然の予期せぬ転調、強弱のコントラスト。アーノンクールは
              そうしたコントラストや意外性を強調し、豊かなアーテキュレーション
              で、ハイドンが与えたインパクトを現代に再現しているように思う。
              ハイドンに馴染みのある人もない人も、
              ハイドンの「新しさ」にワクワクしながらこのアルバムを
              聴くことができるだろう。
              la fontaine * CD/DVDレビュー * 14:37 * comments(0) * trackbacks(0)

              CDレビュー 「聖なる光」

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                ベートーヴェンの交響曲第7番は、作曲家存命中もっとも人気のあった作品だ。
                あまり知られていないことだが、ベートーヴェンの交響曲のほとんどが
                初演では成功していない。
                むしろ新聞評などは芳しくないのがほとんどであった。
                その中で唯一第7番が例外である。
                1813年12月8日の初演では、大喝采をうけ、第2楽章がアンコールされた。
                当時の演奏会では、一楽章ごとに拍手するのが通例で、
                拍手が大きく長く続いた場合にはアンコールするのが通例になっていた。
                あまりの成功に四日後の12月12日に同じプルグラムで演奏会が開かれた。

                さて、ここでアンコールされた第2楽章のことについて書いてみたい。
                この曲は同じリズムのパターンが繰り返され、非常に覚えやすい
                メロディーが出てくる。
                実はこのメロディーには当時から替え歌のようなものが付けられていた。
                Sancta Maria ora pronobis
                このことをベートーヴェンが知っていたかどうかは別だが、
                同時代の人が、このメロディーにそうした親近感を感じていたことは確かである。

                このメロディーが近年イギリスの少年ヴォーカルグループによって
                歌われたアルバムにアレンジされて収められている。
                ヒーリングミュージックの部類に入るこのCDはかなりヒットしたと聴いている。
                私の担当したベートーヴェンの交響曲についての講座でも紹介したところ
                受講生からぜひCDを教えて欲しいという問合せがあった。



                他にもサンサーンスの「白鳥」などクラシックの名曲が使われていたりしている。
                年末のあわただしい喧騒を離れ、一人でまたは親しい人と聴きいるのもよいかもしれない。
                la fontaine * CD/DVDレビュー * 16:27 * comments(0) * -

                CDレビュー マーラー:交響曲第1番「巨人」 ノリントン指揮シュトゥットゥガルト放送響

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                  レーベル: Hanssler SWR
                  輸入・発売元:キングインターナショナル
                  番号:93137


                  なんと清々しい、さわやかなマーラーだろう!。
                  ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団が演奏した
                  マーラーの交響曲第1番の新録音を聴いた第一印象だ。
                  「巨人」とよばれこの作品には、壮大な交響曲というイメージがつきまとう。
                  当初マーラーはこの作品を、2部構成5楽章からなる音詩、
                  または交響詩と考えていた。しかし、初演は大失敗に終わり、
                  後にマーラーは「花の章」と呼ばれる第2楽章を割愛。4楽章の伝統的な
                  交響曲の形に手直しし、以後それがずっと受け継がれてきた。

                  ここでは、作品の内容には深く立ち入らない。むしろ演奏に目を向けたい。
                  ノリントンは、来日演奏会でもこの第1番を取り上げているそうであるが、
                  私は実演を聴いていないので、はじめてこのCDで演奏を聴いた。
                  CDのライナーノートでノリントンは、この作品についての考えを述べている
                  (ブックレットに日本語版が付けられている)。
                  まず、この演奏に至るまで研究に6年が費やされたという。
                  また「花の章」を第2楽章として本来あった位置に配し、
                  5楽章の交響曲とした。さらに第1・第2ヴァイオリンを左右に配する
                  古典配置をとっている(もっともこれはクーベリックなども実践していた)。
                  しかし最大の特徴は、弦楽器のヴィブラートを抑え、初演当時のドイツに
                  おける伝統的なオーケストラ奏法を取り入れたことにあるだろう。
                  1920年代までのドイツでは、振幅の大きなヴィブラートは避けられていた。
                  そのことによって、各声部は明瞭で、いわば音の透明性が確保されていたはずだ。

                  とうとう流れはここまできたか、という感が強い。
                  私がドイツに滞在していた1980年代に、ヨーロッパでは古典派音楽の
                  演奏様式が大きく変わりはじめていた。
                  古楽器の演奏が、放送やレコード録音のみならず、実際の演奏会でも
                  頻繁に聴かれるようになったからだ。
                  私は1981年のフランス・ブリュッヘン指揮による新設「18世紀オーケストラ」の
                  旗揚げ公演を、ミュンヘンまで出かけて聴いた。
                  その時モーツァルトの「ジュピター」交響曲はなんと鮮烈に響き、
                  新鮮な驚きを与えてくれたであろうか。
                  それはあたかも、「モーツァルトの初演」を聴くような錯覚すら覚えた。
                  古典作品の読み直し、再解釈という流れはその時満を期していたのである。
                  (残念ながら日本はその流れからまだ遠くにあるように思う)。


                  ↑18世紀オーケストラのミュンヘン公演のプログラム表紙。


                  ノリントンの演奏が本当にマーラーの演奏した当時の響きの再現かどうかは、
                  誰にもわからない。しかし、それがそうであったかどうかよりも、
                  この演奏が私たちに与えるインパクトと問題提起の方が大きい。
                  これからの演奏は、何をどう表現するかがますます問われることとなるだろう。


                  la fontaine * CD/DVDレビュー * 00:03 * comments(0) * -
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