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シュリンク「朗読者」を読む

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    朗読者 (新潮文庫)
    朗読者 (新潮文庫)
    Bernhard Schlink,松永 美穂

    シュリンクの「朗読者」を読みました。15歳の少年ミヒャエルが、ある日出会った年上の女性ハンナに惹かれ、やがて恋に目覚めるというストリー。しかし、これは単なる甘いラブ・ストリーではありません。ドイツの戦争責任、戦後ドイツ人が同胞を戦犯として裁くことになった裁判の実態など、ドイツが避けて通れなかった問題を、一見平穏に暮らす個人の生活をとおして展開したみごとな小説です。
    la fontaine * ブックレビュー * 22:41 * comments(0) * trackbacks(0)

    ニルソン「オペラに捧げた生涯」 

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      ビルギット・ニルソン オペラに捧げた生涯
      ビルギット・ニルソン オペラに捧げた生涯
      市原 和子

      ドラマティック・ソプラノとして活躍したニルソンの自伝。非常に興味深く読みました。
      生い立ち、スウェーデンでの学生時代にはじまり、デビュー、そしてメトロポリタン・オペラ、バイロイト音楽祭での成功と彼女の人生はまさに音楽の歴史の1ページです。共演した演奏家(ヴィントガッセン、コレッリ、ショルティ、ベーム)や、ウィーラント・ワーグナーと挑んだイゾルデついての記述、バイロイトやその他の場所での音楽的な経験など、興味が尽きません。
      la fontaine * ブックレビュー * 00:28 * comments(0) * trackbacks(0)

      リヒテル

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        音楽評論家で友人の那須田務さんから勧められて、前から読もうと思っていた
        本です。先日偶然にも新宿のディスクユニオンクラシック館に中古で安く出ていて、即買いました。
        リヒテル
        リヒテル
        Bruno Monsaingeon,中地 義和,鈴木 圭介

        内容はモンサンジョンによるリヒテルの伝記と、リヒテル自身の回想を
        まとめたものです。とくに彼の手帳に書かれていた彼自身の
        演奏会やレコード録音、その他自ら聴衆として体験した演奏会や
        オペラの感想や寸評がとても興味深いです。
        もし、彼が現代に生きていたならブログとして発表したかもしれません。
        本はページ数は多いですが、その割には簡単に読めます。

        それにしてもリヒテルの実演を聴くことができなかったのは
        返す返すも残念です。

        la fontaine * ブックレビュー * 09:44 * comments(0) * trackbacks(0)

        ブックレビュー『脳とこころで楽しむ食生活』

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          110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活 (生活人新書 231)
          110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活 (生活人新書 231)
          家森 幸男

          最近時間を見つけては、音楽以外の本も積極的に読むようにしています。
          この本はNHKテレビで放送された内容を、筆者が本として書き下ろ
          したもので、食事と健康がいかに密接にむすびついているかを、
          世界中を廻って調査したデータをもとに、わかりやすく解説して
          います。
          日本食は長寿には理想的だが、塩分のとりすぎが欠点。魚や大豆製品を
          野菜などを豊富に取り、適度な運動も大切、というのがこの本の
          主旨です。

          ところで私の父は、現在92歳で健在です。父もこの著者には関心を
          持っていてテレビ番組のほうは見ていたよようです。
          私が読んだ後は、本は父に廻しました。ちなみに父も読書は欠かさず、
          毎日読んでいます。耳は遠くなりましたが、しっかりとしています。
          この本のとおり110歳まで生きてもらいたいものです。
          la fontaine * ブックレビュー * 23:17 * comments(0) * trackbacks(0)

          「名画の言い分」 ブックレビュー

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            名画の言い分―数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
            名画の言い分―数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
            木村 泰司

            西洋美術のいわば「ツボ」をおさえて、わかりやすく解説してくれる本だ。
            一冊読むと西洋美術の流れと、政治文化的な脈絡まで一通り理解できる。

            感性だけで絵画を見ることの誤りを、筆者は穏やかに語りながら
            私たちに納得させる。まるで目の前で話を聞いているような錯覚に
            陥るほど自然態な文章もこの本の魅力だろう。ぜひお勧めの本だ。

            それにしても、西洋音楽の歴史もこうしてわかりやすく解説してくれる
            人はいないだろうか?もちろんタイトルは「名曲の言い分」、でなくて
            構わないので。



            la fontaine * ブックレビュー * 23:57 * comments(0) * trackbacks(0)

            「芸術の売り方」 ブックレビュー 

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              芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング
              芸術の売り方――劇場を満員にするマーケティング
              ジョアン シェフ バーンスタイン, 山本章子

              プロ、アマを問わず舞台芸術(コンサート、オペラ、バレエ、演劇など)の上演に
              携わる人にお勧めの本。「芸術を売る」というタイトルは、いかにも商業主義的に
              響くかもしれない。しかし本質的には多くのお客さんに舞台を見てもらうため
              には提供する側にも努力が必要だ、というのが筆者の説くところ。
              聴衆の嗜好や年齢構成は時代によって変わる。そのことを、データをとり、
              分析した上で、上演内容や宣伝方法を考えていく必要がある。本書ではそうした
              海外(欧米)での豊富な実例を詳しく紹介し、それを裏づけている。
              同じことが日本で可能かどうかはわからない。すくなくともコンサートの
              プログラムにバラエティがなく、来日演奏家がどれも似たようなプログラムで
              あったり、コンサートホールの入り口でチラシの束を渡される「チラシ文化」の
              日本クラシック界(海外ではこうしたことはないです)には、まだまだ改善の
              余地が多く残されているに違いない。
              この本はそうした再考のきっかけも与えてくれるだろう。

              la fontaine * ブックレビュー * 11:26 * comments(0) * trackbacks(1)

              世界一やさしい問題解決の授業

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                世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
                世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
                渡辺 健介

                書店めぐりをしていて目にとまり思わず買ってしまった。タイトルがいい。
                もちろん中身も良い。現在37万部のベストセラー。

                私たちは、日々小さなものから大きなものまで、様々な問題と向かい
                合わなければならない。しかしその解決策となると、みつけるのに
                随分と苦心したりする。この本は、そうした問題解決能力を身につける
                ための「解説書」だ。問題を見極め、原因を分析しそれにどう対処するか、またあるひとつのことを目標を定め、それを実現するには
                どうしたらよいか、を図式化してわかりやすく解説している。
                もともとは中高生を対象に書かれたようだが、社会人が読んでも参考に
                なることは多い。そうでなければ「問題解決」にはならないであろう。


                la fontaine * ブックレビュー * 10:02 * comments(0) * trackbacks(0)

                効率が10倍アップする新・知的生産術

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                  効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
                  効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法
                  勝間 和代

                  話題のベストセラー。近くの書店で見てつい買ってしまった。
                  「効率アップ」と「知的生産」というのに惹かれた。
                  現代人の好奇心をくすぐる上手いキャッチだな、と思った。

                  著者の体験も含め、ここにはクリエイティブに過ごすにはどう
                  効率化するかということが、わかりやすく述べられている。
                  しかし著者の視点でユニークなのは、それには体力も欠かせない
                  という主張。自らジムに通い、都内はスポーツ自転車で移動、
                  万歩計などもつけて一日の運動量まで自己管理する。
                  さらに、喫煙と飲酒は知的活動の妨げになると、バッサリ。
                  男性著者ではなかなか書けないことかもしれない。さらに
                  ちょっと空いた「隙間の時間」の活用法など、著者が実践した
                  ことが紹介されている。
                  パソコンの活用法はもちろん、読書は「投資」だと言う著者の
                  意見にも納得できる。読書は著者との対話である、という視点にも
                  大いに共感できる。フォトリーディングの技術で月に50冊読むと
                  いう著者の読書はスゴイ!

                  「善は急げ」で、この本で述べられているいくつかを実践し始めた。
                  成果はいつになるかはわからないが・・・・。

                  ちなみに同時に買った著者の「お金は銀行に預けるな」も読んだ。
                  こちらは新書版で経済のことがわかりやすく書かれている。
                  将来の設計と金融を考える上で参考になると思う。
                  お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
                  お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
                  勝間 和代

                  la fontaine * ブックレビュー * 00:34 * comments(0) * trackbacks(0)

                  Intermezzo ブックレビュー  ゾーヴァ・那須田「魔笛」

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                    魔笛
                    魔笛
                    那須田 淳, Michael Sowa, ミヒャエル ゾーヴァ

                    モーツァルトの「魔笛」とは個人的に何か縁がある。
                    モーツァルトのオペラで初めて舞台上演をみたのが「魔笛」だし、
                    ドイツの歌劇場(ミュンヘン)ではじめて見たオペラもそうだ。
                    ケルン音大の指揮科で最初に勉強したのも「魔笛」。
                    ケルンのオペラハウスで初めて観たオペラも、
                    そしてドイツでの私の恩人、今は亡きコル叔母さんと出会ったのも
                    「魔笛」だった。
                    この作品には何か人を引き寄せる、結びつける何かがあるのだろうか?

                    この絵本はゾーヴァがフランクフルト歌劇場で「魔笛」の舞台美術を
                    手がけた際の原画をもとに、那須田が書き下ろした現代の絵物語だ。
                    個人的にも親しい両者のいわば合作と言えるかもしれない。
                    絵と文章はまるで初めから一緒に作られたオリジナルのように
                    溶け合い一体となっている。

                    物語はタミーノを主人公としてすすむ。
                    時にアリアや台詞が織り込まれ、オペラの臨場感を目で魅せる。
                    原作の本質をみごとに照らし出した、読んでいて心和む大人の童話だ。


                    la fontaine * ブックレビュー * 20:13 * comments(2) * -

                    メイナードソロモン 「モーツァルト」を読む

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                      モーツァルト
                      モーツァルト
                      メイナード ソロモン, Maynard Solomon, 石井 宏

                      今年はモーツァルトの音楽を取り上げる機会がいくつかある。
                      しかし、モーツァルト・イヤーでもあるし、ここで改めてより深く知りたいと思い、
                      少しずつ文献を読んでいる。
                      だが、モーツァルトに関する文献は、無数といっていいほどたくさんある。
                      その中でまず今年初めに私が選んだのは、
                      「モーツァルトの手紙」(上・下)岩波文庫
                      であった。
                      それは、ある意味作曲者本人に近づく良い手段もあるからだ。

                      さてその次は・・・・?
                      さすがに困った。数が多すぎる。
                      そこで音楽の文献が比較的揃っている公立の図書館を訪ねた。
                      一冊一冊手にとって、ページをめくって拾い読みをしていくなかで、
                      メイナード・ソロモン「モーツァルト」新書館
                      を手にした時、私は「これかな?」という予感を持った。

                      昨年、宮城学院の生涯学習センターでベートーヴェンの交響曲に
                      ついての講座を持った時、彼の著作「ベートーヴェン」(上・下)岩波書店
                      をしばしば参照し、その洞察力の鋭さと深さに大いに触発されたからだ。

                      読みはじめてみると、すでに史実として知っていることさえも、
                      鮮やな新しい意味づけが与えられ、その一種スリリングな語り口に、
                      どんどんと引き込まれていく。小説のように次の展開が気になって、
                      読み飽きることがないのだ。
                      そうでなければ、800ページ近いこの本を読むのは、その分厚さだけでも
                      挫折しそうである。

                      例えば、ソロモンは手紙に記録されたモーツァルト父子のやり取りを通して、
                      二人の生い立ち、性格、心理的葛藤や並行関係を、心理分析を導入しながら、
                      新しい見解を次々に明らかにしていく。
                      個人的にはモーツァルトの手紙を読んでいたので、引用された手紙での
                      モーツァルトの状況がインプットされているのでなおさら興味が増す。
                      他の本にはあまりない大きな特徴だろう。
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                      la fontaine * ブックレビュー * 11:48 * comments(2) * -
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