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藤谷治 「船に乗れ!」を読んでいます

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    JUGEMテーマ:読書

    藤谷治の小説「船に乗れ!」(1)と(2)を読みました。(3)はこれから読むところです。
    音楽高校に通い始めた主人公サトルの青春を著者自身が回顧する形で書かれていて、
    青春の人間模様と音楽とが見事に展開する「青春学園物」。平易な文体で読みやすく
    音楽を知らない人でも引き込まれるのではないでしょうか。
    しかし、知っていると面白みは倍増すると思います。

    (1)ではサトルがチェロを始めるきっかけや音楽高校に入学してからの最初の1年のできごとが
    書かれています。オーケストラの授業、同級生や先輩、そして南枝里子との出会い、合宿、文化祭、
    そして祖父の家のホーム・コンサート。、
    (2)では想いを寄せる南枝里子とオペラ「魔笛」を観に行くこと、2年生になったサトルの夏季短期ドイツ留学、その間に南枝里子の身の上に起きた大きな変化などが語られています。




    クラシック音楽になじみのない読者でも十分楽しめるますが、とくに、サトルが語るレコードの演奏は
    実在の演奏なので、具体的に曲がイメージできるとおもしろさは倍増すると思います。
    まず合奏と協奏と題された(1)の中に出てくる主な音楽作品のタイトルを見てみましょう。

    ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ ト長調(ソナチネ・アルバム)
    ショパン:エチュード
    バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番プレリュ−ド、サラバンド
    ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
    ハイドン:チェロ協奏曲
    シューマン:チェロ協奏曲
    エルガー:チェロ協奏曲
    ペルゴレージ:歌劇「奥様女中」
    ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番
    モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
    モーツァルト:歌劇「魔笛」
    ラヴェル:クープランの墓
    モーツァルト:クラリネット協奏曲
    シューベルト:鱒
    マーラー:さすらう若人の歌
    シューベルト:ロザムンデ
    チャイコフスキー:白鳥の湖 情景、ワルツ、 チャルダッシュ
    ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ「春」(グルミュオー、ハスキル)
    バッハ:フルート・ソナタロ短調
    リスト:交響詩「プレリュード」(レ・プレリュード)
    メンデルスゾーン:ピアノ・トリオ第1番
    カザルス:鳥の歌
    ハイドン:オラトリオ「天地創造」
    ドビュッシー:小組曲(ピアノ連弾)
    ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー
    ヴィヴァルディ:忠実な羊飼い
    モーツァルト:フルート四重奏曲
    プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ
    ヴォルフ:歌曲
    ウェーバー:舞踏への勧誘
    メンデルスゾーン:無言歌
    メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
    メンデルスゾーン:結婚行進曲
    シューベルト:ヴァイオリン・ソナタイ長調(A-Dur)
    バッハ:オルゲルビュヒライン BWV605「かくも喜びあふれる日」
                       BWV615「汝のうちに喜びあり」

    小説を読んでいた時には感じませんでしたが、リストアップしてみると「こんなに!」
    と思いました。

    この中でメンデルスゾーンのピアノ・トリオ第1番は、同級生の南と副科ピアノ教師の北島先生と
    サトルが三人で、祖父(彼の通う学園の理事長でもある)の家のホームコンサートで演奏する曲
    として(1)の後半で大きなウェイトを占める曲です。小説のなかでサトルが南に聴かせたカザルスの
    ホワイトハウス・コンサートのレコードは現在CDで出ています。またカザルスのバッハの無伴奏
    チェロ組曲の演奏もCDで聞くことができます。



    音楽作品だけではなく、歴史的な名演奏家の名前も数多くでてきます。さすがにチェリストも
    名手揃いです。

    チェリスト
    ジャックリーヌ・デュ・プレ
    ピエール・フルニエ
    パブロ・カザルス
    ピエール・フルニエ
    ヤーノシュ・シュタルケル
    ポール・トルトゥリエ



    指揮者
    カール・ベーム
    ヘルベルト・フォン・カラヤン
    ユージン・オーマンディ
    レオポルト・ストコフスキィ
    レナード・バーンスタイン

    ピアニスト
    ウィルヘルム・ケンプ
    クララ・ハスキル
    アルフレッド・コルトー

    ヴァイオリニスト
    アルトゥール・グルミュオー
    ジャック・ティボー

    この小説は音楽を知らなくても読むことはできますが、こうした演奏を聴くとさらに味わい深くなるのではないかと思います。

    la fontaine * エッセイ * 11:10 * comments(0) * trackbacks(0)

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