<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< ブックレビュー『脳とこころで楽しむ食生活』 | main | 墓参り >>

フォーレ 歌曲集

0
    フォーレ:歌曲集(4枚組)
    フォーレ:歌曲集(4枚組)
    ユニバーサル ミュージック クラシック

    EMIから発売されていたフォーレの歌曲集が、廉価盤のBrilliant Classics
    からライセンス販売されました。
    日本語解説はついていませんが、フォーレの歌曲の全貌が、スゼーと
    アメリンクのすぐれた歌によって、聞くことができます。
    フォーレの歌曲にはどれも優しさを持ち、ドイツ・リートや同じフランスの
    ドビュッシーやラヴェルの歌曲とも違った、独特の世界があります。

    今回このCDを聞いてみて、「月の光」がフォーレの歌曲の転換点に
    なったことがよくわかりました。それは、まず伴奏が独立した世界を
    確立したことです。それ以前のフォーレの歌曲は、ピアノ伴奏が
    和声的に歌を支える「基礎」だったのにたいして、「月の光」は
    ピアノ曲かと思われるほど!しかも、メヌエットという舞曲の形式。
    ピアノにたいして、声楽が対旋律を「唱和」している、といっても
    いいかもしれません。これはヴェルレーヌの詩とも関係するでしょう。

    月の光
    ポール・ヴェルレーヌ詩

    あなたの魂は、選り抜きの風景のようだ
    魅惑的な身ごなしで、リュートをひき、踊りながら、
    そこを過ぎるとりどりの仮面やベルガモの衣裳、
    幻想的な仮装のしたでそこはかとなく悲しげに。

    恋の勝利やめぐまれた人生を
    短調でうたいながらも、彼らなは、
    おのれの幸福を信じている様子もない、
    その歌は、月の光にとけてゆく。

    梢の鳥たちを夢みさせ、
    大理石の像のあいだの、ほっそりとした
    噴水を、うっとりとすすり泣かせる
    悲しげで美しい、あの静かな月の光に。
    (訳:粟津則雄)


    どうですか? 「歌が月の光にとけてゆく」とは、なんと素敵な
    情景でしょう。

    フォーレというと「夢のあとに」が有名ですが、ピアノは単純な伴奏に
    過ぎず、歌とピアノのコーディネートは「月の光」には及びません。

    実は最近、ある作品を演奏するとき、その曲のみならず、作曲家が
    残したそのジャンルの作品全曲を、生涯にわたって調べるように
    しています。フォーレの歌曲は直接演奏とは関係ないのですが、現在進行中の
    ある仕事のひとつで、CDを聴いていました。これだけまとめてフォーレを聞くことができるCDはないので、この機会にぜひお勧めします。

    ちなみにフォーレと平行して、ラヴェルの管弦楽曲の研究が進行中です。
    いずれ記事をアップする予定です。

    la fontaine * CD/DVDレビュー * 23:43 * comments(0) * trackbacks(4)

    コメント

    コメントする









    トラックバック

    スゼーのフォーレ歌曲集(名歌精選集)

    自在なニュアンスを湛えた《ビロードの声》の魅力が、いかなるフレーズにも柔らかくしみ通っている。
    From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/19 12:43 PM

    名手ユボーのフォーレ/ピアノ作品全集

    これほど純粋な高みに身を置く名演は至難の業だろう。
    From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/17 2:21 PM

    フランソワのドビュッシー

    フランソワの音楽はフランスのエスプリそのものだ。
    From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/13 7:01 PM

    フランソワのドビュッシー

    フランソワがドビュッシーの音楽の刻々の閃きをとらえてゆくさまは極めて新鮮であり、フランス的エスプリにあふれている。
    From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/13 6:52 PM
    このページの先頭へ