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「粋な遊び」〜モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」序曲 

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    前回の記事では「コジ・ファン・トゥッテ」序曲の序奏の指揮法に
    ついて簡単に触れた。

    今日はその構成についてすこし書いてみる。この序曲は4分ほどの
    演奏時間で比較的簡素、単純明快に書かれているように思われる。

    ここでプレストに入った後の管楽器パートを見てみよう。

    オーボエから始まり


    管楽器で受け継がれ



    三回現れたところで間奏が現れ



    再び三回同じ音型が繰り返される。
    ここまでを一つのユニットとして考えると、この音型が現れる数は
    オペラの登場人物の数に一致している。

    しかもこれが3回と3回とに分けられている!
    男性三人(フェランド、グリエルモ、ドン・アルフォンゾ)
    と、
    女性三人(フィオルディリージ、ドラベラ、デスピーナ)
    とに比例しているのだ。

    劇の進行を考えれば、初めの3回が男性三人、間奏(これは
    「フィガロの結婚」でバジリオが歌う「ご婦人方はみなこうした
    もの」の引用=このオペラのテーマ)の後出てくるフレーズは、
    女性三人を、象徴していると考えてよいのではないだろうか。 

    このユニットは序曲の中に何度か現れ、私たちに強い印象を残す。
    さらに序曲の最後では、序奏の一部がふたたび顔をのぞかせるが、
    それはこのオペラのなかで「コジ・ファン・トゥッテ」を現す部分
    でもある。この簡潔な序曲には、実はかなり凝った構成が隠されて
    いるといえないだろうか。

    モーツァルトは歌劇「後宮からの誘拐」序曲で、序曲の途中に
    ベルモンテのアリアの開始部を短調で挿入しているが、「コジ」序曲
    の場合、手法は抽象化され、しかも簡潔で洗練されているように
    思える。

    まさに「粋な音の遊び」!ドン・アルフォンゾの賭けに負けたのは、
    グリエルモでもフェランドでもなく、このオペラを観る私たちかもしれない。


    la fontaine * モーツァルト * 13:06 * comments(2) * trackbacks(0)

    コメント

    figaroさん、お久しぶりです。

    そうなんです。
    コジの序曲のこの部分は「遊び」だと思います。
    昨年モーツァルトの手紙を読む講座を開いてから
    そうした「遊びの精神」を強く意識するようになりました。
    Comment by Fontaine @ 2007/09/25 2:22 PM
     こんばんは。
     お久しぶりです。

     はじめて『コジ・ファン・トゥッテ』の全曲を聴いた時、あっ序曲のあそこってここのことだったんだ、と感嘆した記憶があります。
     今回の記事を読んで、そのことを思い出しました。
    Comment by figaro @ 2007/09/25 12:45 AM
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