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オペラの魅力に迫る 「フィガロの結婚」

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    隔週講座「オペラの魅力」の今日は第2回目。

    この講座はモーツァルトの「フィガロの結婚」をもとに、オペラの
    魅力をできるだけわかりやすく話すのを主眼としている。今回は
    演劇とオペラの違い、とくにオペラの独自性に注目した。

    まず、ボーマルシェの原作で著者が述べている登場人物の性格
    などを、名作オペラブックス1「フィガロの結婚」(p.246〜)を
    読みながら解説。とくにシェリュバン(ケルビーノ)を女性が演じ
    ることが原作者の指示であること、モーツァルトとダ・ポンテは
    それに忠実であったことに触れた。
    また登場人物の「セヴィリアの理髪師」からのつながりも述べた。

    次にあらすじ(p.35)に戻って、第1幕のケルビーノの登場までを
    ざっと解説してDVDを見た。特に細かい解説をせずに見てもらい、
    その後にオペラと舞台演劇との相違点(演劇的時間と音楽的時間)
    を具体例をあげながら、CDで反復した。
    1.音楽的時間
    たとえば、第1幕第1場、冒頭のシーンは、演劇ではわずか3行の台詞、
    普通の会話の速度で読めばわずか15〜20秒である。ところがオペラは
    それを音楽によって演劇とは違う時間の流れへ引き込む。しかも
    聴衆はほとんどそれを意識することなく観劇することができる。
    だからオペラでは、フィガロとスザンナの同じ場面(小二重唱)は
    約3分もあるが、誰一人として退屈せずに見ることができる
    (もちろんダ・ポンテはオペラの台本で台詞は増やしてはいるのだが)。
    ベッドの長さを測るフィガロ。帽子に夢中なスザンナ。それぞれの
    性格の違いも音楽ではっきりと表されている。

    2.声部の同時性
    通常の演劇では、複数の登場人物が同時に異なる台詞をしゃべったり、
    また同時に同じ台詞を話したりする事は起こらない。ところが
    オペラの場合、重唱やアンサンブルという形式が、台詞の同時性を
    可能にするのみならず、音楽的に大きな魅力を作り出している。
    また作曲家にとって、そうした場面は腕のみせどころでもある。
    そうしたことにも注目して第1曲を聴いた。

    3.音楽による暗示や性格付け
    注目したいのは第3曲のフィガロのカヴァティーナ。ここには伯爵を
    暗示するメヌエットと、フィガロが計画の決意を表す快活な2拍子
    の部分とが音楽形式の違いによって対比されている。
    こうしたこともオペラならではの魅力だ。

    4.台詞の繰り返し
    演劇では原作者の指定がない限り、同じ台詞を繰り返すことは
    行われないが、オペラでは台詞に指定がなくても作曲家が望めば、
    反復され、場面の緊張感を高めるなどの強調効果を生み出すことがある。
    スザンナとマルチェリーナの二重唱では、二人の言葉の応酬が反復され、
    フィガロをめぐる二人の女性の競い合いが見事に表現されている。

    こうしたオペラの独自性を話しながら、特有の魅力を味わって
    もらえるように解説を試みた。


    la fontaine * オペラ * 21:13 * comments(0) * trackbacks(0)

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