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インターネット百科事典「ウィキペディア」について思う

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    今朝(2月23日)朝日新聞の国際面に興味深い記事が載っていた。

    「ウィキペディア」頼り 誤答続々
    テストへの引用禁止

    アメリカの名門大学の史学部で、オンラインで一定の利用者が書き込んだり修正したりできる百科事典「ウィキペディア」を学生がテストやリポートで引用することを認めない措置を1月に決めたそうだ。
    今日私たちはインターネットに繋げれば、いつでも多くの知りたい情報得ることができる。
    この「ウィキペディア」はその最も良い例であろう。 誰でも閲覧できるのはもとより、書き込むことも記載されている項目を加筆・修正することもできるのである。常に新しい情報が記載できる。だが便利である反面、問題もある。

    1.そこに記載されている情報が本当に正しいのかどうか
    2.それは誰によって執筆されたのか、
    3.それが一人か複数か、または加筆・修正が誰かによって行われたのか

    記載されている項目からではまったく知ることができない。

    私たちは文字になっていると、とかく信用しがちである。しかしどんな場合でも、客観的な観点で見るように心がける必要があろう。
    ある一つのことを調べるのに、一つしか文献を見ないというのは少々危険である。
    確かに、私もこの「ウィキペディア」を利用することはあるが、これだけに頼るということはない。

    昨年私が大学で担当した合唱の授業で、ハイドンの『天地創造』とオラトリオなどについて、学生にレポートを求めた。提出されたレポートを読んでみると、多くの学生がインターネットを参考文献として挙げていた。
    参考にしたインターネットのURLやタイトルが書かれている場合はよいが、単に、インターネット、とだけしか書いていない学生も見うけられた。学生にとっては、インターネットが身近になっているのが手にとるようにわかった。
    しかし、この新聞記事にもあるように、「ウィキペディア」は確かによくできている百科事典ではあるが、すべてをそれだけで済まそうという態度は、考え物である。

    通常の(本の形態をした)百科事典は、多くの専門家による執筆が行われ、最終的に監修者によってチェックがされ、出版される。もちろん編集段階において、原稿の読み直し、校正が行われるので何重にもチェックが入る。間違いがあれば訂正される。ただし欠点は、出版までに非常に時間がかかり、企画から完成までに長い年月を必要とするということだ。もちろんその間に新しい発見があってもすぐに反映するのは難しい。さらに、値段的にも非常に高く、購入者が限定され、また何10巻にもなるため扱いにくいという欠点もある。
    そうした意味では、「ウィキペディア」はインターネットがつながっていれば、いつでも見ることができる。しかも、その文章をコピーして貼り付けることもできる。苦も無くレポートを完成させることができるというのは学生にとっては大きな「利点」だ。だが、学生は自ら文章を考えることもなく、そこに記載されている事項を無批判に「コピー」→「ペースト」してしまう恐れがある。
    もちろん、「本の丸写し」ということは昔からあっただろう。しかし、その場合少なくとも学生は資料を探し、読み、書き写すということをしている。そうした意味では、書かれている事実に何の疑問も抱かずに写してしまう現代学生の学生気質に、教師としてのみならず、一社会人として不安を感じずにはいられない。

    la fontaine * エッセイ * 23:19 * comments(0) * trackbacks(0)

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