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アーノンクールは語る 「モーツァルト対談」

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    Mozart Dialoge Gedanken zur Gegenwart der Musik
    Mozart Dialoge Gedanken zur Gegenwart der Musik
    Nikolaus Harnoncourt
    アーノンクール 『モーツァルト対談』

    アーノンクールは発言する音楽家だ。
    自分が演奏する作品については、明確な意見を持ち、上演や録音に際しては
    自らプログラムノートを書く。またそうしたアーノンクールを主に
    ドイツ語圏の雑誌や新聞はインタビューを通じて紹介して来た。
    そうしたものを集めた本が出版されている(目下ドイツ語版のみ)。
    題してMozart Dialog「モーツァルト対談」
    Dialog(対話、対談)はアーノンクールが音楽を考える上で
    欠くことのできない概念だ。

    1980年代からアーノンクールは、ヨーロッパの音楽シーンで
    きわめて注目される存在となっていた。主要な音楽雑誌や新聞が
    彼が指揮するオペラのプレミエの前後にインタビューを掲載した。
    ここに収められたインタビューやプログラム・ノートは
    彼の著作「古楽とは何か」「音楽は対話である」を補うものとして
    非常に興味深い。
    その内容の一部、カール・リヒターとの関係については
    すでにこのブログで紹介した[復活祭とバッハのマタイ受難曲(2) ]。

    「自分がオーケストラを退団したのは、他の指揮者の元で
    演奏することに堪えられなくなったからだ・・・・
    拍子をとる指揮のテクニックそれ自身は原理としては簡単だ。
    作品を分析し、作品像を描くことが指揮者には求められる・・・。」

    「スコアを買ってきてそれを指揮するだけでは、プロの指揮者とは
    言えない」

    「音楽家として初めから指揮者を目指すことは考えられない」

    「私は自分の演奏する曲について、他人の録音を良く聴く。それに
    左右されることはないが、他の人がどのように演奏しているか、
    には大いに興味がある。私はカラヤンの録音は大体聴いているが
    今日聴いてもなおその完成度において他の追随を許さないものが
    ある。」

    「私はいつかはモーツァルトを指揮しなければならないと思っていた」

    など刺激的な発言も随所に飛び出しおもしろい。
    しかし全体としては非常に真摯な音楽に対する情熱が全体に感じられる。

    以下目次を紹介しておこう(目次の日本語訳:本多優之)
    日本語版が待望される。
    音楽の現在について
    ・時代精神と真実
    ・真正なことと作品に忠実なこと 
    ・解釈と流行
    ・音楽における誤解と誤用
    ・芸術における「神々の黄昏」?
    ・霧中の橋
    ・「木はもう枯れているかもしれない」
    ・時代を超える芸術―芸術のない時代?
    ・「光明は消してはならぬ!」

    モーツァルト ― 解釈への道 
    ・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、 謎の創造力
    ・モーツァルトと猿の道具 
    ・絶対的な「モーツァルト様式」などない
    ・モーツァルトの音楽における不文の伝統
    ・モーツァルトに学ぶ!
    ・音楽の受容と時代の変遷
    ・モーツァルトの解釈 ― イメージと妥協
    ・「私たちにはいつも正しい審判がいる。それはモーツァルトだ」
    ・バッハからバルトーク 中心はモーツァルト

    モーツァルト―作品-反映
    ・モーツァルトの「イドメネオ」 フランス・オペラ?
    ・チューリッヒでの「イドメネオ」 演奏上の疑問点
    ・「イドメネオ」は音楽劇作家モーツァルトの「辞書」か?
    ・「イドメネオ」におけるロマン的概念
    ・モーツァルトの「ルーチョ・シッラ」の上演にさいして「
    ・オペラ・セリアの頂点モーツァルトの「ルーチョ・シッラ」
    ・「皇帝ティトの慈悲」 モーツァルトの音楽における過去と未来
    ・モーツァルトの「後宮からの逃走」 ドイツの「オペレッタ」?
    ・「後宮からの逃走」 録音への覚書
    ・メルヘンを守る 「魔笛」
    ・「フィガロの結婚」 「女性劇」?
    ・フィガロの官能的な響きの秘密
    ・「フィガロの結婚」のテンポ・ドラマツルギー
    ・「ドン・ジョヴァンニ」  死の神話
    ・「コジ・ファン・トゥッテ」 モーツァルトの音楽による剥がされた感情
    ・神童ヨーロッパを旅する
    ・モーツァルトにおいては器楽音楽でさえドラマなのだ
    ・モーツァルトの足跡をたどる

    la fontaine * アーノンクール * 20:35 * comments(2) * trackbacks(1)

    コメント

    こんばんは。
    非常に読み応えのあるインタビューです。
    こういうインタビューができる記者や
    学者の見識を日本人も見習って欲しいです。
    どこかのシンポジウム・・・でのような
    無益なパネリストは困ったものですから。


    Comment by La fontaine @ 2006/05/06 11:54 PM
     こんばんは。
     コメント、ありがとうございました。

     これは本当に興味深い本ですね。
     目次だけからも、内容の面白さが想像できるような気がします。
     早く日本語訳を行ってもらいたいものです。
    Comment by figaro @ 2006/05/06 11:28 PM
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    天才・モーツァルト!! 大人気!!

    西郷だ! 今年、2006年は。天才・モーツァルトの生誕250年ということで。 大いにモーツァルトのCDが売れているっ!! モーツァルトの肖像は。 これが一番人気があるそうで。             他にもあるのだが・・・。
    From 西郷の相場概観!! @ 2006/05/03 10:33 PM
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