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音楽用語とイタリア語 18世紀の場合

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    私たち日本人は、音楽で使われるイタリア語を記号のように感じるかもしれない。
    しかし、18世紀のヨーロッパでは、多くのイタリア人作曲家や歌手が、音楽界で大活躍していたから、イタリア語はとても身近な言葉だったと考えられる。
    ハイドンやモーツァルトも、我々が想像する以上にイタリア語に親しんでいた。
    事実モーツァルトは母国語と同じくらいイタリア語を話すことができたという。
    ハイドンもイタリア語のオペラをいくつも作曲し、イタリア人との交流を持っていた。
    だから18世紀の作品を演奏する場合には、イタリア語の演奏指示を
    日常の言葉としての意味をも含めて考える必要があるだろう。

    例えば、
    piano: 「弱く」とか「小さく(音量)」と解されている。
    しかし、この言葉は「静かに」「ゆっくりと(急がないで)」という意味として
    日常的に使われる。「平らに」「平易に」という意味もある。
    pianoという言葉は強弱のみならず、テンポの弛緩も示唆しているのだ。
    また個人的には semplice とも通じると考えている。

    allegro:「速く」と訳される。
    しかし本来は「陽気に」「楽しい」という意味だ。
    例えば
    Il signore e allegro.
    と言えば、
    「主人はほがらかな人だ」
    ということになる。
    allegroを単なる速度表示と考えると、意味がわからないことがなる。
    ヘンデルには(例:「メサイア」)
    Andante allegroという表示が出てくる。
    これは「きびきびとしたアンダンテ」を意味すると考えられる。

    このように単語ひとつにも豊かな発想を可能にするヒントが含まれている。
    とかく音楽の用語は一義的に解釈されがちだが、多様な発想こそが音楽を
    豊かにしてくれると思う。


    la fontaine * クラシック音楽 * 23:45 * comments(7) * -

    コメント

    hiromiさま

    イタリアは、片言のイタリア語でもできると
    まるで見え方が変わりますよ。
    たしかに観光地では英語も通じますが、
    英語は本来イタリア人にとっては遠い国の言葉
    なんです。

    イタリア語を聞いていると、意味は分からなくても、音楽のように聞えるのは、気のせいでしょうか。
    言葉と音楽には切っても切れない関係があるように思います。

    Comment by La fontaine @ 2005/11/18 6:11 PM
    イタリアにせっかく2度も行ったのに、イタリア語がまったくわからないためにそういう文化の深さには気づけずに終わってしまいました。楽譜屋さんすら探せなかった・・・。建造物の想像を絶する大きさと古さに、歴史の深さだけは体感できましたが。今度、旅するときは、fontaineさまからいっぱいお話を聞いてから行きたいです!
    Comment by hiromi @ 2005/11/18 10:17 AM
    イタリアにせっかく2度も行ったのに、イタリア語がまったくわからないためにそういう文化の深さには気づけずに終わってしまいました。楽譜屋さんすら探せなかった・・・。建造物の想像を絶する大きさと古さに、歴史の深さだけは体感できましたが。今度、旅するときは、fontaineさまからいっぱいお話を聞いてから行きたいです!
    Comment by hiromi @ 2005/11/18 9:59 AM
    Hiromiさん

    イタリア語で私たちが音楽で使っているフェルマータ記号のことをcoronaといいます。 現代のイタリア語では、fermataはバスの停留所のほうが一般的な用法です。

    ちなみにpianoとは建物の階数も意味します。
    (il) primo piano
    とは 1階のことです。

    イタリアに行くと、普段私たちが音楽でしか出会わない言葉が、日常で使われている。そこに面白さ、文化の深さがあると思います。
    Comment by La fontaine @ 2005/11/18 8:58 AM
    そういえば、イタリアを旅行したとき、バス停にフェルマータの記号がついていたのを発見し、思わず写真に撮りました(笑)。しかも「延ばす」という意味しか知らなかったので、「なんで?」とびっくりしたのを思い出しました。フェルマータには「止まる」という意味があることを知って、得した気分になって帰ってきたんですが、演奏上、この「停留所」の意味が役に立つ場面はありますか?「延ばす」と「止まる」はまったく対極にある言葉のように思いますが、きっと音楽的にはつながりがあるのだろうなぁ、と想像しています。何かエピソードがありましたら、お聞かせください。
    Comment by hiromi @ 2005/11/18 3:00 AM
    PLumさん

    こんばんは。コメントありがとうございました。
    あの頃は本当に時間がなくて・・・・。
    やっと体裁の整ったページが出来ました。
    ブログはたくさんの方に来ていただいています。
    これからもよろしくお願いしますね。
    Comment by La fontaine @ 2005/11/17 7:24 PM
    fontaine様のブログ、毎日楽しみにしています。
    9月のコンサートの時「ホームページを充実させてよ〜」
    のお願いを聞いて下さって・・・という訳ではないのでしょうが、とても興味深く又勉強になります。
    これからもガンバッテ続けてください。

    1900年のFratelli-Calace 700EURで落札しました。

    Comment by PLum @ 2005/11/17 2:18 PM
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