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ネトレプコのアイーダ

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    2018年10月2日 メトロポリタン歌劇場
    ヴェルディ「アイーダ」


    アイーダ:アンナ・ネトレプコ
    アムネリス:アニータ・ラチヴェリシュヴィリ
    ラダメス:アレクサンドルス・アントネンコ



    圧巻だったネトレプコはもちろん、アムネリスのラチヴェリシュヴィリが歌、演技ともに完璧。
    残念ながらアントネンコは、声の立ち上がりが遅く、声を押している感じが否めない。後半の3幕になってからやっと調子が出てきた感じがした。 いずれにしろ、絶好調の女性2人に比べるとやはり物足りない感じがした。

    しかしなんといっても、メトロポリタン歌劇場のこの演目は、演出舞台が素晴らしい。まるでエジプトが再現されたかのような衣装、細部にわたって考古学的とも言える舞台美術。特に2幕の凱旋の場面では、私たちはあたかもタイムマシンに乗って古代エジプトに出かけたような気分になる。
    la fontaine * オペラ * 11:31 * comments(0) * trackbacks(0)

    メトロポリタン歌劇場 サムソンとデリラ

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      10月1日(月)
      サン=サーンス「サムソンとデリラ」
      サムソン:ロベルト・アラーニャ
      ダリラ:エリーナ・ガランチャ

      指揮 マーク・エルダー






      このオペラを舞台で観るのは初めて。もともとはオラトリオとして着想されたこともあり、その名残は特に合宿の部分に、顕著に現れていると思います。
      なかなかいい作品。しかしこの日はなんとアラーニャが不調のため2幕で降板! アラーニャを聞くのは、3月のオテロ以来。しかしその時と声の印象が違うので、おかしいなと思っていたら、2幕のクライマックスで声が掠れると言うハプニング。
      これは危ないなと思っていたら、休憩をはさんだ3幕の始まり前に、メトロポリタン歌劇場の担当者がマイクを持って現れ、アラーニャが病気のため降板し、代役が歌いますとアナウンス。
      やはり無理をしていたのかなと言う印象。残念。
      デリラ役のガランチャは、歌と演技の両面で素晴らしい。私が前回ガランチャを聞いたのは、昨年4月METで「ばらの騎士」のオクターヴィアン。妖艶な容姿を持ち、サムソンを誘惑するでリラの役にピッタリ。歌が見事なのはもちろんだが、デリラ役に新しい解釈を加えたのが一番の見どころ。それはデリラがサムソンを誘惑するうちに、彼に恋心を抱くようになっていたというもの。2幕でサムソンを待つ場面や3幕で一同がサムソンを嘲笑する場面で、密かに想いを寄せる心内を見せていた。
      指揮のマーク・エルダーはアンサンブルをまとめ手堅い指揮だが、フランス的な洒脱な音楽を導き出すまでには至らず、そのことが残念。この作品のスコアからもっと多彩な音楽が引き出せたのではないかと思う。
      新演出というで期待していましたが、舞台装置が象徴的で、内容をよくわかっていないと今ひとつピンとこない。西洋キリスト教世界をあまりよく知らない者にはもう少し具象化された方がわかりやすかった。
      la fontaine * オペラ * 20:18 * comments(0) * trackbacks(0)

      メトロポリタン歌劇場「ばらの騎士」

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        公演前のメトロポリタン歌劇場(筆者撮影)




        ばらの騎士のポスター(筆者撮影)


        R・シュトラウス:ばらの騎士

        2017年4月21日 メトロポリタン歌劇場
        指揮:Sebastian Weigle
        演出:Robert Carsen
        美術:Paul Steiberg
        衣装:Brigitte Reiffenstuel

        オクターヴィアン:Elina Garanca
        元帥夫人:Renee Fleming
        オックス男爵:Günther Groissböck
        イタリアの歌手:Matthew Polenzani
        ファーニナル:Markus Brück
        ゾフィー:Erin Morley
        ほか


        「ばらの騎士」はとても好きな作品だが、舞台で観たのは久しぶり。今年4月13日に初日を迎えた、メトロポリタン歌劇場の新演出「ばらの騎士」を観てきました。歌手はもちろん、美術や衣装も素敵な舞台で、奇をてらわず、しかしながら、この作品の演出の新しい在り方を示す素晴らしい舞台だと感じました。
        このオペラが作曲された1911年、第1次世界大戦前夜のハプスブルク家の時代に設定したカーセンの演出と、美しく魅せるスタインバーグの舞台美術が、目を引きました。 意表を突かれたのは第1幕冒頭、元帥夫人の寝室前の廊下から始まること。部屋から出てきたオクターヴィアンが一服タバコをふかしているのを、元帥夫人があとを追う展開。壁が吊り上げられて現れる元帥夫人の部屋は、まさにシェーンブルン宮殿のよう。しかも部屋を対角線で区切り客席から逆V字に、つまり部屋の角隅が舞台の中心に来る舞台装置にも関心しました。
        第2幕のファーニナル邸は、壁にギリシャ時代の戦闘を描いた壁画、軍事物資で財を成した成り上がり貴族の館を象徴し、さらには大きな大砲がニ門。
        第3幕は高級な「快楽の館」。原作の酒場とは違うものの、それでいて、不思議に違和感を感じることはなく、納得のいく舞台でした。
        歌手陣は、オクターヴィアンのガランチャ、元帥夫人のフレミング、オックス男爵のグロイスベックの三人がすばらしく、特にグロイスベックは、オーストリア出身ということもあり、オーストリア方言の歌詞は完璧。オックス男爵という難役を演技の上でもみごとにこなしていました。オックス男爵は、マンフレート・ユングヴィルトやクルト・モルなどベテランの歌手で観てきましたが、グロイスベックも当たり役だと思いました。

        フレミングの今回の舞台が元帥夫人役の最後。これからは大きな役での登場は減らしていくとのこと。彼女の元帥夫人が聴けたのは幸運でした。
        la fontaine * オペラ * 07:40 * comments(0) * trackbacks(0)

        宮城学院生涯学習講座「シネマでオペラ」2017年度開講

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          昨日5月20日(土)に、宮城学院生涯学習センター「シネマでオペラ」が始まりました。
          今年で5年目の講座は、前期4回・後期6回の合わせて10回。METライブビューイングで上映されるオペラについて、鑑賞前にあらかじめオペラのあらすじ、作曲家や時代背景背景などについて解説。オペラをより深く味わってもらうことを主眼としています。
          第1回の昨日はチャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」について、私が用意した教材のプリントをメインに、映像もまじえてお話ししました。







          la fontaine * オペラ * 09:33 * comments(0) * trackbacks(0)

          メトロポリタン歌劇場「エフゲニー・オネーギン」

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            4月18日メトロポリタン歌劇場でチャイコフスキーの抒情的情景(作曲者による)「エウゲニ・オネーギン」を観ました。

            なんと言ってもネトレプコが群を抜いてすばらしく、タチャーナを体現しているのみならず、その心の内面までも歌で表出し、聴き手の心に訴えかけてきました。
            第1幕手紙の場面は彼女の独壇場。 さらに第3幕2場が圧巻!田舎の少女から気品ある女性に成長したタチャーナ。オネーギンを愛しながらも、自らの立場を守り抜く彼女の苦悩、心の内が演技はもちろん「声の表情」からも観る側に伝わり、思わず涙が頬を伝わるほどでした。
            ロシアに行った時、プーシキンの原作は、学校で暗唱して習うと聞いたことがあります。ロシア生まれ、ロシア語を母国語とするネトレプコには、タチャーナはまさに当たり役。
            オネーギンのマッティも素晴らしいのですが、オネーギンの役作りにもう一歩踏み込んで欲しかったと思います。レンスキーのドルゴフは田舎詩人のレンスキー役を好演。
            舞台の奥行きをうまく活用し、遠近感を出したワーナーの演出も好感がもてました。
            残念だったのは、指揮を予定していたティチアーティが病気でキャンセルし、アシスタント・コンダクターのJoel Revzen だったこと。もちろんピンチヒッター、代役でよくまとめたと思いますが…。

            2017年4月18日
            メトロポリタン歌劇場
            チャイコフスキー:エウゲニ・オネーギン
            指揮:Joel Revzen
            演出:Deborah Warner
            美術:Tom Pye
            衣装:Chloe Obolensky

            タチャーナ:Anna Netrebko
            オルガ:Elena Maximova
            ラリーナ夫人:Elena Zaremba
            レンスキー:Alexey Dolgov
            オネーギン:Peter Mattei
            la fontaine * オペラ * 03:15 * comments(0) * trackbacks(0)

            ロストフ歌劇場「蝶々夫人」

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              JUGEMテーマ:音楽

              2013年2月9日(土)
              南ロシアのロストフ歌劇場でプッチーニの「蝶々夫人」を指揮しました。
              このプロダクションの125回目の公演で、テレビ録画やインタビューもあり
              生まれて初めての大舞台にかなり緊張しました。
              第1幕は緊張とちょっと力が入りすぎ、固くなったところはありましたが
              第2幕以降はうまく流すことができ、公演は無事終了。
              ほっとした開放感と同時に、個人的には次の課題も見えた貴重な体験でした。


              ロストフ歌劇場 Rostov State Opera and Ballet Theater


              「蝶々夫人」の告知看板





              la fontaine * オペラ * 07:15 * comments(0) * trackbacks(0)

              2月4日 プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」公演 @福島市

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                JUGEMテーマ:エンターテイメント

                来る2012年2月4日15時より、福島市公会堂で
                プッチーニの名作「蝶々夫人」の舞台上演が行われます。

                 



                2012年2月4日(土) 15;00
                福島市公会堂
                プッチーニ「蝶々夫人」

                14時20分より指揮者によるプレトーク

                演出:竹澤嘉明

                蝶々夫人:早川圭子
                ピンカートン:星 弓彦
                シャープレス;國分雅人
                スズキ:渡辺新和
                ゴロー:佐藤一成 
                ボンゾ:江幡忠男
                ヤマドリ:大竹健太郎
                ヤクシデ:瀧 薫
                ケイト:阿部絵美子
                役人:作田秀二
                戸籍係:熊田享徳
                蝶々さんの母:渡辺弥生
                いとこ:藤井まり子
                おば:星 満莉絵

                合唱:福島オペラ協会合唱団、福島大学音楽科有志
                管弦楽:福島オペラ協会管弦楽団
                指揮:本多 優之

                問い合わせ:
                福島オペラ協会事務局 024-548-8231
                携帯:080-5556-1517(藤井)





                la fontaine * オペラ * 16:38 * comments(0) * trackbacks(0)

                村上春樹原作のオペラ「パン屋大襲撃」を見る

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                  JUGEMテーマ:音楽

                  村上春樹の「パン屋襲撃」と「パン屋再襲撃」を原作としたオペラ「パン屋大襲撃」を
                  大阪いずみホールで見ました。 

                  作曲家は日本人の望月京(もちづきみさと)。

                  パン屋大襲撃

                  昨年スイスのルツェルンで初演され、その後ウィーンでも上演された作品で今回が日本初演。

                  サントリー音楽財団創設40周年記念として、東京と大阪で日本初演が行われました。
                  公演は日本語ではなく、発表された時と同じドイツ語でした。

                  とても興味があるので、東京公演は仕事の都合で見に行かれなかったので、わざわざ大阪まで
                  見に来ました。


                  上空からみた富士山
                  飛行機で移動の途中に空から富士山が見えて綺麗でした。


                  文学作品をオペラ化する場合に、様々な問題が生じますが、なかでも一番重要なのは
                  原作とオペラの場面構成とテキスト(歌詞)です。たとえば昨年講座で取り上げたヴェルディの
                  「オテロ」はシェイクスピアの原作をかなり簡略化していますし、原作にない場面(イヤーゴのクレド)
                  も挿入されています。

                  今回のオペラを私はあえて村上作品を読まずに見てみました。おそらく見ていた聴衆は原作との
                  比較をされたと思いますが、私は純粋に音楽劇作品として見ることに専念しました。
                  演出(粟国淳)には、舞台の後方にオーケストラ(東京シンフォニエッタ)を配置したために
                  生じた音響上の問題点などはありましたが、まずまず順当な出来。これをさらに違った角度から
                  読み込んで行けばさらに面白く上演できるかな、と思いながら見ていました。






                  la fontaine * オペラ * 23:20 * comments(0) * trackbacks(0)

                  2009年12月31日チューリッヒ歌劇場 バルトリのチェネレントラを観る

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                    4日間のベルリン滞在で最後はチューリッヒに戻りました。大晦日のチューリッヒ歌劇場はチェチリア・バルトリ主演(といっても過言ではない)のロッシーニ『ラ・チェネレントラ』
                    実は昨年2009年に私は東京の新国立劇場でカサロヴァの歌うチェネレントラも観ているので、舞台は違うものの同じ年に二人の歌手でチェネレントラを観る機会に恵まれたことになりますnext

                    ロッシーニ:ラ・チェネレントラ
                    指揮:Muhai Tang
                    演出:Cesare Lievi
                    舞台:Luigi Perego

                    アジェリーナ:Cecilia Bartoli
                    クロリンダ:Sen Guo
                    ティスベ:Irène Friedli
                    ドン・ラミロ: John Osborn
                    ダンディーニ:Oliver Widmer
                    ドン・マニフィコ:Carlos Chausson
                    アリドロ: Laszlo Polgár

                    さて劇場に着席してライトも暗くなり幕が開くのを待つと、支配人のペレイラ氏が登場。歌手や出演者に変更がある場合に、聴衆に理解を求めるために登場するのが通例。すると・・・・
                    バルトリが今朝、足の指を骨折!! でも医師が固定して舞台に立てるように処置をしてくれたので歌うということ。
                    さすがに大晦日のガラ公演。バルトリが目玉とあって彼女も出演ということになったのでしょう。
                    ちなみにバルトリはチューリッヒに在住で、共演のバリトン歌手オリバー・ウィドマーはご主人。

                    さて公演はもちろん素晴らしいできでした。ただバルトリは以前にくらべ声が重くなったと思います。私は2007年の大晦日にもチューリッヒでこの演目のバルトリで聴いていますnext。その時はコロラトゥーラの軽やかさと音程の器械的な正確さが前面に出ていたのに対し、今回はより表現に重点が置かれていたように思いました。

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                    la fontaine * オペラ * 13:51 * comments(0) * trackbacks(0)

                    2009年12月 ベルリン滞在記◆.哀奪襯「アルミーダ」を観る

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                      ベルリンで「負の遺産」を観て、タジキスタン喫茶でお茶した後は、コーミシェオーパーで過激な演出(ビエイト演出)でスキャンダルとまで言われた話題のオペラ、グルックの「アルミーダ」を観ました。

                      アルミーダ

                      「アルミーダ」(またはフランス語で「アルミード」)は、イタリアの詩人タッソ(1544〜1595)の詩「解放されたエルサレム」に基づき、フランスの劇作家キノー(1633〜1688)が台本を書いた5幕のオペラで、もともとはフランス語。1686年この台本にリュリも作曲しています。
                      グルックの改革オペラ後期の作品の一つで、歌手の技巧を誇示するようなアリアは避けられ、テキストのデクラメーションと音楽の一致が図られています。さらに作曲に、リエト・フィネ(ハッピー・エンド)にすることなく、リナルド(ルノー)と決別しアルミーダが自らの道を歩むところで幕となります。

                      コーミシェ・オーパーは旧東ベルリンの歌劇場で、すべての作品をドイツ語で上演します。コーミシェ(英語のコミカル)というので、オペレッタを上演する劇場と思われがちですが、通常のオペラのレパートリーを上演しています。

                      グルックの「アルミーダ」は私も初めて観るオペラ。さいわい開演の30分前にロビーでプレトークがあるというので聴きました。「アルミーダ」が最後にベルリンで上演されたのは、1889年だったということで120年ぶりの再上演。

                      さて、先に述べた過激のなにが過激かというと、オペラの上演を観られるのが16歳以上という年齢制限が付いていることです!
                      妖術を使い十字軍の騎士を誘惑したというアルミーダ。その状況を16人の全裸の俳優に演じさせたり、愛欲に溺れる場面では性的な描写も含まれているからです。
                      グルックのオペラには関心がなくとも、その過激な演出を見に来たという観客もいて、劇場はほとんど空席もありませんでした。
                      さらに演奏の質も高かく、優れた上演だったと思います。
                      数あるオペラのレパートリーにあって「地味な」存在と思われるグルックのオペラをこうした形で注目させ、集客にも成功したのはひとえにこの過激な演出ゆえと言えるでしょう。
                      指揮はリュート奏者として、また古楽アンサンブルの指揮者として有名なコンラート・ユングヘンネル。演出はカリスト・ビエイト。

                      ちなみに「アルミーダ」は来シーズン(2010/11)も上演されるそうです。

                      アルミーダ舞台


                      la fontaine * オペラ * 22:13 * comments(0) * trackbacks(0)
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